ニュース & トピックス

山川出版社から『礫岩のようなヨーロッパ』が刊行されました

2016年7月15日に山川出版社より本科研の成果報告である『礫岩のようなヨーロッパ』が刊行されました。目次は以下の通りです。今秋以降、本科研は、歴史的ヨーロッパの複合的政治編成をめぐるこれまでの議論について学界に総合的な議論を喚起する目的で、公開シンポジウムを開催する予定です。そこでの議論を建設的なものとすべく、この論集を一読頂ければ幸いです。


目次:序章 礫岩のような近世ヨーロッパの秩序問題……近藤和彦

 第Ⅰ部:政治共同体と王の統治
 第1章 複合国家・代表会議・アメリカ革命……H.G.ケーニヒスバーガ(後藤はる美訳)
 第2章 複合君主制のヨーロッパ……J.H.エリオット(内村俊太訳)
 第3章 礫岩のような国家……ハラルド・グスタフソン(古谷大輔訳)

第Ⅱ部:礫岩のような近世国家
 第4章 ハプスブルク君主制の礫岩のような編成と集塊の理論
       ――非常事態へのハンガリー王国の対応……中澤達哉
 第5章 バルト海帝国の集塊と地域の変容
       ――スコーネの編入とスコーネ貴族の戦略……古谷大輔
 第6章 ヨーロッパのなかの礫岩
       ――17世紀イングランド・スコットランドの法の合同論……後藤はる美
 第7章 複合国家のメインテナンス
       ――17世紀のリトアニア貴族の日記にみるポーランド=リトアニア合同……小山 哲
 第8章 スペイン継承戦争にみる複合君主制
       ――大きな政体・小さな政体……中本 香 

https://www.yamakawa.co.jp/product/64083

公開日:2016-07-20

ヨーロッパ近世史研究会第22回例会「近世史研究の現在(3)複合国家論再考」

ヨーロッパ近世史研究会第22回例会のご案内

近世史研究の現在(3)−−複合国家論再考 

 今年5月の日本西洋史学会において、立石博高氏(東京外国語大学)による記念講演「近世スペインのカタルーニャ複合国家論の再検討」が行われました。フランス・ブルボン王朝との対比の中でカタルーニャ−スペイン関係の動態を論じたこの講演では、豊富な史料を基に重層的に構成された議論が展開されました。その内容は、本研究会で2013年以来交わされてきた議論と深く関わります。そこで、以下の通り、スペイン史、フランス史、スウェーデン史を専門とする諸氏からこの講演へのコメントを提示してもらい、広く近世ヨーロッパの文脈のなかで、複合国家論を再考する機会をもうけることにいたしました。立石氏も参加の予定です。皆様のご参加をお待ちしています。

(立石氏の公開講演レジュメを希望の方は、以下のサイトにアクセスしてください。https://sites.google.com/site/euroearlymodern/承認に時間がかかる場合がありますが、ご了承ください。)

開催日時:112213-18時(終了後に懇親会を開催予定)

開催場所:東京外国語大学府中キャンパス海外事情研究所

     183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

     http://www.tufs.ac.jp/common/fs/ifa/contact.html

報告者:内村俊太 (上智大学):スペイン複合君主制のなかのアラゴン王国

    仲松優子 (北海学園大学):複合君主制と近世フランス

    古谷大輔 (大阪大学):礫岩のようなヨーロッパ〜礫岩国家論の整理とその射程

公開日:2015-10-27

ヨーロッパ近世史研究会「近世研究の現在(3)ー複合国家論再考」

本科研の前身であった「近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究」で研究分担者として参画頂いていた立石博高先生(東京外国語大学)が、2015年5月に富山大学で開催された日本西洋史学会においてなされたご講演『近世スペインとカタルーニャ―複合国家論の再検討』を受けまして、ヨーロッパ近世史研究会は、より広い視野で複合国家論を再検討する機会を設けることになりました。この研究会は立石先生にもご参加頂くとともに、本科研も共催者として協力し、本科研の研究代表者である古谷大輔(大阪大学)が複合国家論全判に関する論点開示を、同じく研究分担者である内村俊太さん(上智大学)がスペイン史の文脈にたったコメントを担当する予定です。現在、もうおひとりのコメンテータを打診中でありますが、その研究会の概要を以下に第一報として記します。ご参加頂ければ幸いです。
  • 日時:2015年11月22日午後
  • 場所:東京外国語大学 海外事情研究所
  • タイトル:「近世研究の現在(3)ーー複合国家論再考」

コメンテータ、開催時間などの詳細は、決まり次第お知らせします。

公開日:2015-07-13

第65回日本西洋史学会における公開講演『近世スペインとカタルーニャ―複合国家論の再検討』

本科研の前身であった「近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究」で研究分担者として参画頂いていた立石博高先生(東京外国語大学)が、2015年5月16日に富山大学で開催された第65回日本西洋史学会において『近世スペインとカタルーニャ―複合国家論の再検討』と題する公開講演をされました。ご講演のタイトルにもあるように、先生のご講演は本科研の主題と密接に関連するものであり、再びヨーロッパ世界における政治体制の複合性に対する学界の関心を刺激するものでした。このご講演に対する研究代表者の所感が研究代表者のブログに掲載されていますので、こちらにリンクのみを示します。

「礫岩国家」論ふたたび〜第65回日本西洋史学会に参加して
「礫岩国家」論へ立石博高先生から頂いたコメントへの回答


なお立石先生のご講演については、2015年11月22日開催予定のヨーロッパ近世史研究会において再び討論の場が与えられる模様です。これについての詳細はまた後日ご紹介します

公開日:2015-05-23

第13回研究会が東京で開催されました

本科研は、以下の日程で第13回研究会を東洋大学白山キャンパスの甫水会館で開催しました。(2014年9月11日にルンド(スウェーデン)で開催された国際ワークショップを、本科研が主催した第12回研究会としてカウントします。)

【日時】2015年3月25日:東洋大学甫水会館2F201号室
13時〜:山川出版社からの論集の刊行計画について
13時30分〜:近藤和彦(立正大学)「ぜめし帝王・あんじ・源家康:1613年の日英交渉」
15時〜:内村俊太(上智大学)「16世紀後半のスペイン複合王政下における歴史編纂」
16時30分〜:古谷大輔(大阪大学)「祖国の可視化から世界の可視化へ〜バルト海帝国の経験と世界記述の方法」

2015年3月26日:東洋大学甫水会館2F201号室
10時30分〜小山哲(京都大学)「矜持と不満―リトアニア大公国大法官A. S. ラジヴィウの日記にみるポーランド・リトアニア合同(1632~1655)」
13時〜後藤はる美(東洋大学)「クロムウェル期アイルランドの法改革」
14時30分〜中澤達哉(福井大学)「マルティヌス・ラコキウスの「選挙王=普遍君主」論の形成過程―Imperium et regnumを中心に」

この二日間の研究会は、四カ年で計画されている本科研が二年目を終える時点において「礫岩国家」論の方向性を確認する目的にたって開催され、本科研に関わる各研究の中間報告が非公開で行われました。「礫岩」的な政治編成の動態はそれが位置する地域的事情とその地域に懐胎した歴史的伝統に応じて多様ですが、比較検討の補助線としてはおおよそ普遍君主に関する多様な理解、複合政体をめぐる「現場」の戦略の二点において個別の研究が進められています。近藤・中澤報告ではアジアやイスラム圏を念頭においた複合的政治編成を統べるヨーロッパ的普遍君主の理解をめぐる議論が、内村・古谷報告では複合的政治編成を構成するそれぞれの地域政体における歴史的な「王国」観と普遍政体の屹立をめぐる議論が、小山報告では複合的政治編成の日常にみられる「礫岩」への意識をめぐる議論が、後藤報告では将来的にブリテンへと結実する前段階にあってみられた多様な合同構想の戦略をめぐる議論が示されました。

公開日:2015-03-31